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「怪しいオッサン…………て、答えにもなってないし、なんで何者か聞いただけでこんなに言われなきゃいけないんだよ! なんだよ一体!?」
「煩い、黙れ、死ね、殺すぞクソガキが、なんで俺がテメーみてぇなクソガキと会話しなきゃならないんだ、口を閉じてろ馬鹿、この火の海に飛び込んで焼け死ね」
「このっ!!…………てかなんでこんな非常時にオッサンと喧嘩なんかしなきゃならねぇんだ、てか何でいきなりそんな口調荒くなってんだ!!?
見ず知らずのオッサンにそこまで言われる筋合いはねぇよっ!!」
「いやなに、お前に1ミクロンでも期待してしまった自分にげんなりしていたところだ、
俺は自分にがっかりするつもりはないが、お前には心底がっかりした、やはり他人に興味を持つのは駄目だな。」
こいつを見る目は即刻改めよう、もう興味もなければここにいる理由もない、ならば俺はさっさとここから去り体を休めることに時間を費やした方が時間の有効活用というものだ、
いい加減この火も見飽きたし、クソガ……もといクソガキといるのにも飽きた。
「私は……いや俺はもう去ることにしよう、村の処理はお前一人で何とかしろ、俺はもうやる事はやったんでな、
一々ここに留まる理由も必要性もない。」
俺は持っていた鞄から液体の入った瓶を出し、蓋を開けその液体を少年の方まで垂らしていく…………
「何して……てか去るって!
やる事やったって何だよ一体!? まさかこの村全体を焼いたのって…………!!」
「その問に関する答えは簡単だな……。」
火はどんどん燃え広がるものだ、全てを飲み込み、吸収し、己をさらに強くしていく………………
そして火はやがて巨大になり、次々と命を奪っていく…………、あっという間に、儚いほどに…………
火はいいものだ、どんなものでも焼き尽くす
それが物であれ人であれ、村であれ…………な
「この村はお前の思う通り俺が燃やした……、凄いだろう? こんな小さなマッチ一本でこれだぁ、もはや感動の域だと思わんか? 」
「何ん……で、そんな……こと…………」
少年は最初に会った時のような今だ信じられない表情し始めた
そんな狼狽える少年を余所に俺は懐からマッチを出し、摩擦で火をつけ
それをただ徐に、少年に投げた……………………
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