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「う、うわああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
迫り来る火に恐れてか少年が物凄い声で叫ぶ
まったく、相も変わらず煩いガキだな、
いい加減にしないとおじさんもキレるぞ? ま、もう半分キレてはいるんだが、
俺が放った火は凄い勢いで少年の目の前まで迫り、やがて少年の前でピタリと止まる、
だが迫り来る火に恐れた少年は中々正気にならず、大量の冷や汗をかきながらへなへなとその場に座りこんだ。
「怖いか? 恐れたか? 案ずるな、それが正しい感情だ……いや、この場合は本能というべきか? 貴様の反応はけして間違ってはいない、
むしろそれが正当でありそれが自然だ、死の恐怖……それは誰もが畏れ、脅え、そして恐怖するものだ、普通ならばな……。」
そう、普通の人間なら、な
残念なことに俺は普通の人間ではない……らしい、周りからずっと言われ続けてきた言葉だが、俺にとってはこれが普通のつもりなのだ。
捻くれて曲がっていて、どこか人間味のない、屁理屈好きな、そんな普通、
だが普通なんて概念がそもそもおかしい、皆自分の物差しで勝手に普通を決める、それが普通かも解らずに、
つまりというと普通こそが1番普通には程遠いものなのだ。
自分の普通は普通ではなく、周りの普通が普通であるから自分は変などという変則的なことが普通だとでも言うのか?
「有り触れた普通、平凡、そんなものの一部でいたいなど、誰が思うか……。」
俺はそこらの有象無象共の用なのは御免被るのでな、
普通でなくて構わん、例え周りがどう言われようと、これが俺の自然で普通なのだからな…………。
「さて少年よぉ…………君はどうだ? このまま普通に死ぬような自殺志願者になりたいか? この村の者達と一緒に燃えて消え去るか?」
少年は自分が生きている事実を確認するかのように深呼吸し、心を無理に落ち着かせ喋りだす
「ふ、ふざけんな! 俺は……死ぬ気もないし、消えるつもりも毛頭ない! 少なくとも、アンタみたいな奴に殺されるような事は……絶対に!!」
「…………誰が少年を殺すと言ったぁ?」
「えっ……?」
「馬鹿が、俺が殺すに決まってんだろうが鵜呑みしてんじゃねぇよ馬鹿。」
少年が馬鹿過ぎて2回も馬鹿と言ってしまったな
なんて思いながら俺の腕は少年の首を掴んで持ち上げていたのである。
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