切り札と主役。

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ある日、黒兎がアリスに言った。 『此処から逃げよう、アリス。』 しかし、アリスがこの世界から逃げる事は赦されない。 それがこの世界の掟なのだから。 それでも黒兎はアリスの手を引いて走り出す。何処までも何処までも…、この世界の果てまで。 黒兎とアリスは無我夢中で走り続けた。 迫り来る絶望にも気付かずに。 -嗚呼、もうすぐ。もうすぐ彼女が…- ブシャアッ!! 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!!」 -・-・- 蒼い空、紅い大地。 静かな空間に響く液体の飛び散る音と悲鳴。場違いな不協和音。 平和な昼下がり。 白い薔薇園の前での出来事。 白い薔薇は赤黒く嘲笑い、女王は静かに彼女に微笑みかけた。 …切り札は破られ、主役は舞台へ…。 そして世界は何事も無かったかのようにまた回り出す。 -Bad End?-  
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