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領土も狭く、人口も減少の一途をたどる日本は、対外的な脅威に常に晒されていた。
同盟国の庇護はあれど、いざ、近隣諸国との関係が悪化し、有事に至った場合、自衛隊の防衛力のみで国家を防衛するのは困難だった。この事実は表向きには公表されていなかったが、日本政府は90年代初頭よりこういった事態を危惧し、それに備えるべく、様々な対抗策を講じていた。
政府は、神戸動物研究所をつくり天城博士に管理を任せた。有事の際に動物が国民のサポートをしたり、人間の代わりに前線に赴き戦ってもらう、兵器利用などを目論んでおり、その研究を極秘で天城博士に依頼していたのだ。
2012年5月、天城博士の長年にわたる研究の成果により、一匹のオスザルに人間と同程度の知能を与えることに成功した。
それが悪夢のはじまりだと、当時は誰ひとり、知る由もなかった。
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