巻かれ絞められ襲われて

5/35
2909人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
「くぁ……ぁ……あふ……」 本日最後の授業も終わり、終業のチャイムと共に担任のプルミエールが足取り軽く教室を後にした直後、ミツルはずっと我慢していたあくびをようやく肺から解放した。 「どしたの?なんだか今日はずっと眠そうだったね」 隣に座っていたティファが、心配そうな表情で彼の顔を覗き込む。今日一日、彼女が時折視線を向けた時、ずっとミツルは目元に作った大きな隈を擦りながら眠気を紛らわせるようにノートにペンを走らせていた。 ティファがそう声を掛けると、ミツルは突然キッと鋭く瞳を細めて彼女を睨み付けた。 「そりゃそうさ。昨日、あれだけ部屋で好き勝手されちゃあね」 「あー……やっぱり、眠れなかったんだ」 ミツルの言葉で、どうやらティファも理由を察したらしい。彼の静かな怒りを避けるように苦笑いを浮かべてみせた。 昨日、学園からティファと共に自室へ戻った彼を突然訪ねてきたのは、スティラを始めとする生徒会の面々。断る暇も与えられず、なし崩し的に彼女達を泊める羽目になってしまったミツルを待ち受けていたのは、終わることのない眠れぬ夜であった。 就寝と同時に抱き付いてきたティファの羽毛の中かで悶えつつ、さりげなく伸ばされてきたスティラの触手を払い、巻き付いてくるディアナの胴体から抜け出し、天井に吊り上げてくる操緒の糸を切り、寝惚けて抱き枕にしようとしてくるフォルテのでっかい胸から逃げ、寝相から転がって胸に乗ってくるセシリアの頭をどかしたりと、とにかく安眠を妨害されまくったのだ。 そんなミツルの苦労も露知らず、彼女達はちゃっかり朝食まで頂いて、機嫌良くそれぞれの部屋へと戻っていったのであった。 「あ、あはは……ご、ごめんね?だって、ミツルの部屋凄いんだもん。あれははしゃいじゃうって~」 「ふんっ……薫先輩だけだよ。僕の気持ちを一番わかってくれるのはさ」 事実、昨晩は薫だけがミツルの安眠に対する妨害行動を行ってはこなかった。それどころか、操緒の糸を切って助け出してくれたのは他でもない彼女であり、日に日な警戒心が鍛われつつあるミツルの中で絶対的な不動の信頼を得ていた。 「そんなイジワル言わないでよー。ん~……あっ、良いこと考えた♪ねぇミツル、明日は学校お休みだよね?」 「えっ?まぁ……土曜日だしね。それがどうかした?」
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!