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僕は、弁当の蓋を開けると、中は料理長の心尽くしが満載だった。
カラフルに、美味しそうな料理が並んでいる。
僕は小さめに握られたおにぎりを手に取ると、ゴーディの口元に持って行った。
「ゴーディ?食べて?」
僕の差し出したおにぎりを見て、ゴーディは笑顔になるとゆっくりと口を開けた。
僕は、その口の中におにぎりを入れる。
僕用のサイズに小さめに握られた小さなおにぎりは、大人の口には一口用の小さなおにぎりなんだよね。
ゴーディは、目を閉じて味わうようにゆっくりと咀嚼して、飲み込んでいた。
「そうか・・・・・・・・食べ物って・・・・・こんな味だったか・・・・・」
ゴーディの言葉に、僕は何だか哀しくなって顔を歪める。
すると、ゴーディは僕を見て笑顔で言った。
「カムリン・・・・・・・と言ったか?・・・・・・泣くな・・・・・これは、俺の・・・・・・運命だ。
何も・・・・・・成せず・・・・・唯、周囲を破壊して・・・・・死ぬ筈だった俺の運命。
それを神は捻じ曲げて・・・・・・・・俺の・・・魂が・・・・・冥府で・・・・・永劫の責苦を受けるのを・・・・・・防いでくれた」
そう言って嬉しそうに微笑むゴーディ。
その言葉に、僕は目を見開く。
「冥府で永劫の責苦って・・・・・・・・」
僕の言葉に、笑顔で言うゴーディ。
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