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あらゆる場所がボロボロ。
あちこちに、血の跡や崩れた跡。
大きな傷もある。
床には、無数に戦闘の跡らしいものがあった。
壁に残る、血の跡を見て眉を寄せる僕に笑いながら兵士が言った。
「何だ?血の跡にびびってんのかあ?」
「あんなもん、この城には至る所にあるぜ?」
そう兵士が言った時、僕達の横から何か小さな物が吹っ飛んできて、壁に激突して血飛沫を上げる。
「何だよ。危ねえなあ」
兵士がのんきな声を上げると、横から笑い声がする。
「ギャハハハハハ・・・・・・・。
悪い悪い。こいつがさあ、俺の服に触るからさあ、むかついたんだよねえ。
汚ねえ手で触んなってんだよなあ」
そう言ってやってきたのは、鬼だった。
額に角を生やし、真っ赤な目で壁に叩きつけられて、最早虫の息の小さな子供を睨む。
立派な服を着て、綺麗なローブを羽織った鬼は、言った。
「せっかく手に入れた綺麗な服に、こんな汚いガキが触ったら、服が汚れんだろうが」
そう言って、手に持っていた金棒で、壁にめり込んでる子供を押し込む。
子供は更に壁にめり込むと、そのままグチュっと音をさせて動かなくなった。
僕は目を見開いたまま、その様子を見つめる。
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