魔王の前で

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「は・・・・・ははは・・・・・・ははははは・・・・・・・。 覚悟はしてた筈なのになあ。 実際にやるとなると・・・・・怖いよなあ・・・・・・・・」 呟くように言うビビディの言葉に、顔を強張らせて怒鳴ったのはノアール。 「待て!貴様!何を企んでる!」 ノアールの言葉に、顔を上げたビビディの表情は、狂気じみた笑顔だった。 「はははははは・・・・・。 死ぬんなら・・・・俺だけじゃねえ・・・・・・・魔界も全部巻き込んでやる・・・・・・」 「「「「「「「「な!よせ!」」」」」」」」 兵士達が声を上げるが、間に合わずビビディは大きく歯を食いしばる。 その瞬間。 何処かで何かが壊れる音がした。 全員の表情が強張る。 僕は、その音のした方向に何かを感じた。 「何をしたの!教えて!」 ぐったりと、床に座り込んだままのビビディは言った。 「ははははははは・・・・・・。 地下の・・・・・魔界樹を破壊した」 その言葉に青ざめる皆。 「な!本当にあったのか!」 「馬鹿な!本当に存在するのか!」 「嘘だ!」 「其れを破壊したら、魔界が崩壊するって伝説の樹だろ!」 「それを破壊って!」 「何で!」 次々に言う兵士達に、ビビディは笑顔で言った。 「俺だけが・・・・・死ぬなんて許さない・・・・・だったら、全部巻き込んでやる・・・・。 はは・・・・・・はははははははははは・・・・・・・・・・」 完全に狂気じみた表情で、大笑いし始めるビビディ。 「ノアール様!」 レン達は強張った表情で、ノアールを見る。
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