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ノアールは、真剣な表情で言った。
「魔王としての伝承は・・・・確かにあったが・・・・・」
呟くように考え込むノアールに僕は言った。
「それ、僕見た事あるよ。
きっとあそこだ。
資料倉庫の奥に、隠し通路があるんだ。
でもね、古すぎて子供の時の僕でもやっと通れる位の場所になる位崩れていたよ。
奥に大きな湖と大きな樹があったよ。
それのことでしょ?きっと」
そう。
あの、ゴーディと出会った場所。
「ん?ゴーディ?」
僕は微笑んで言った。
「うん。僕の中に眠ってしまった神様にとっても愛された人間の男性。
凄く綺麗な瞳をしていたよ。
ねえ・・・・・・。
ゴーディ」
僕は、両手を虚空に差し出すようにして、言った。
すると、僕の身体から金色の美しい粒子が溢れ出すと、そこにあのゴーディが姿を現した。
「久しぶりだね。リン」
笑顔で優しい声で言う、ゴーディ。
僕は満面の笑顔で言った。
「本当に久しぶり!ゴーディ。
えと。状況は・・・・・・」
僕の言葉に、大きく頷くゴーディ。
「知っているよ。リン。全部見ていたからね。
大丈夫。魔界を壊させるような事はしないよ」
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