魔王の前で

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「簡単に言うとだな。 魔界樹は、この魔界の全体を支える世界樹のようなもんだ。 魔力の元になるマナを精製して放出しバランスをとる。 そいつがなくなれば、魔界はマナのバランスを取れなくなり、崩壊に向かう。 で、それをリン。 お前が再構築するんだ」 僕は目を見開いた。 「え?僕が?どうやって!」 僕が思わず言うと、ルシルは笑いながら言った。 「簡単だ。言霊を使う」 「あ!」 僕は思い出した。 「そっか判った!」 そう言って直ぐに魔力を練り上げて使おうとしたとき、ルシルは人差し指を立てて僕の口を抑える。 僕は、驚いてルシルを見上げた。 「但し、覚悟しろよ? 魔界樹の再生なんだ。 お前から、凄い勢いで魔力と力を吸い上げるぞ?」 ルシルの言葉に、青ざめる皆。 「な!大丈夫なのか?」 「リンに問題はないのか?」 皆が心配してくれるのが判った。
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