40003人が本棚に入れています
本棚に追加
美しく幻想的で、感動するような樹だった。
「凄いな・・・・・・こんなに美しい樹は見た事がないぞ。
さすが・・・・リンだな」
感動した様子で目を輝かせて、樹を見つめるルシル。
僕は嬉しくなった。
そのまま、魔力を固定して行き、安定を図る。
安定していく魔界樹から、急に強い光が巻き起こり、それはまるで花弁のようになって、魔界中に散って行く。
魔界のありとあらゆる場所で、その花弁は目撃された。
多くの場所で、甘い優しい匂いを撒き、満たされた幸せな思いにさせた。
そして、傷を負った者は傷を癒され、飢えた者には目の前に多くの食事を、病を負った者には癒しを。
全ての者が、幸福な思いに囚われる。
その瞬間。
魔界中に大きな強い光が満ち溢れた。
そして、光が収まった時。
城があった場所には、何も無い更地が広がっており、僕はゆっくりと大地に降り立った。
他の皆も、僕のそばに駆け寄ってくる。
「リン!凄いぞ!さすがだな!」
一番に駆けつけてきたルシルは僕を抱き上げて抱きしめる。
次にノアールが僕の頭を撫でる。
「リン!良くやった!さすが、我の息子だ!」
誇らしげに嬉しそうに言うノアール。
「リン!素敵だったわ!」
カーナは満面の笑顔だ。
「我は光はあまり好きではないが、あれは綺麗だと思ったぞ」
笑顔で、瞳を子供のように輝かせるデスパイア。
最初のコメントを投稿しよう!