1 挑戦状

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「俺か、おらぁ小林圭ってんだ!圭でいいぜ。つか俺も野球部入るつもり。ポジションはサードだよ、お前は!?」 (うぜえぇ…) いきなり馴れ馴れしく話かけてきた小林圭という男。第一印象はとにかくうざいであった。 「おいおい、なんだよ人見知りだったりすんのかぁ~??名前ぐらい言えっての」 「…清田修二。ポジションはピッチャーらしい」 スッと椅子から腰を上げて、教室から逃げ出すように出ていく。あっ、と言って小林も追いかけてきた。 仕方がなしに清田は廊下で歩を止めた。それに反応するように、小林も早歩きから歩幅を急にゆっくりとさせた。 (着いてこなくていいっつーの。この粘着野郎…) 「ちょいちょい、待てって。なぁ修二…でいいか?」 「はぁ…何でもいいよ。好きに呼べば」 それを聞いた小林はヘッと微笑してから、じゃあそう呼ぶとノリノリで言ってきた。 「で…投手らしいって何だよ。それってどういう意味よ?」 どういう意味か…それは自分にも分からないし、自分でも質問したくなる程だ。
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