1 挑戦状

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 ストライク、バッターアウト。ゲームセット! 試合の終わり告げる審判の声。 千葉浦安中学校の夏が終わった。 結局三年間で試合は二回しか勝てなかった。なんてそんな事を思い出しながら自宅のベットの上で軟球を握り握る。 「そっか…終わったんだったよな」 野球は昔から大好きだった。小学校四年生の時から野球を始めて、暇させあれば野球をしていた。 他になんの取り柄なんて無かった。ただ自分は野球させやれれば何もいらない。そう思っていた時期は確かにあった。 清田修二。現在中学三年生。季節は冬に差し掛かろうという寒い季節。世間では受験シーズンの到来である。 「もっと実力があったら…勉強なんてしなくてよかったのかな」 なんて冗談混じりに独り言。ふぅと一息嘆息を漏らす。 自分にとってこれからの人生って何なんだろうか。そんな事、今まで考えた事なんて無かったから。
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