1 挑戦状

5/25

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
「…そうですね。一番簡単に申し上げますと、修二君の将来性。つまり君の可能性にただならぬ何かを感じました」 将来性、可能性って。自分の実力に満足いくものとは思った事など一度もない。それに周りの評価はもっと低いと感じていたからそう驚くことはない。 「…分かりました。こちらからも是非お願いします」 「えぇ。早速で悪いのですが修二君は我が海空野球部の練習を見学しに来て頂けるかしら?」 断る理由なんて無かった。それにこれから自分がお世話になる身でもある。言われるがままに車に乗って海空高校へと向かった。 「そういえば…修二君には自己紹介がまだだったわね。私が海空野球部のスカウトを担当している石乃崎葵。宜しくね」 石乃崎は運転しながら清田に自己紹介をする。清田は無言でそれに頷くようなそぶりをみせた。 一時間としないうちに車は海空高校の敷地内へと入った。中学校より遥かに大きくて何よりグラウンドも広い。 狭いグラウンドで練習していた中学時代が嘘のようだった。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加