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「あれがチームの主将。黒木君よ」
グラウンドでは実践形式の守備練習が行われていた。石乃崎が指を指した右翼のポジションに目をやると他の部員よりも背が高い。
成る程彼は他の部員よりも何か違う何かを持っているのが、自分から見ても感じとれる。
それから本来の自分のポジションの捕手のほうにも目をやった。
ガッチリとした体格。ミットを構えてボールを捕球する。
場所からは離れていてもミットが放つ革のかわいたパーンという独自の音は胸を熱くさせた。
一塁のランナーが盗塁を仕掛けると、捕手は素早く体制を整えて二塁方向へボールを投げる。
モーションを盗み、盗塁は成功したかと思われたが、捕手が投げたボールのほうが先に到達していた。
(俺もあれぐらいのプレーが出来るようになりてぇ…)
そんな時だった。石乃崎から信じられない一言が告げられたのは。
「清田君。君には入学したらピッチャーをやって貰うようになるわ。」
「…えっ?!ピッ、ピッチャーですか」
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