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「まあ覚えてないのは予想していたがよ、つい最近になって思い出したんだ。渋谷での出来事をな」
堂々と足を組み経緯を説明する。
「渋谷といえば……僕達が通常戦闘で近くのドラゴンが乱入してくる事を知らなかった事ですか?」
「確かにアレは大変だったよね。アイテム切らしたりケイトの回復が間に合わなかったりしてさ、結構苦戦してたっけ…」
ケイトの推測にうんうんと頷き黒歴史を振り替えるアヤメ。
「ドラゴンじゃねぇよ。つかドラゴン以外にもっとあんだろ」
「あ、分かった!!生存者探しに消臭剤持って行かなかった事だね!!」
「おい白髪、今からこのアホをゴミ箱に詰めて外に投げに行くぞ」
笑顔で本気の天然ボケをかますアヤメに呆れるネオ。
ケイトは真面目に切り出した。
「分かっていますよネオさん。生存者から物質を脅し取る【SKY】という若い集団の事でしょう」
「分かってたなら早く言え」
【SKY】。
ネオ達が渋谷で生存者の救助活動をしていた際、助けられた生存者達が語った若者の集団。
ケイトの言う通り、集団の一部の人間は生存者を無差別に脅し食糧を奪い取っていた。
「総長に頼まれて退治しようとしたよね。出来なかったけど…」
「ネコという方の氷結魔法は強力でしたね」
ナツメの命により、SKIを掃討する事となった13班。
下っぱらしき2人のSKIメンバーを倒したケイト達を待ち受けていたのは2人の強敵だった。
『凍らしちゃうよ☆』
猫耳の青いフードが特徴的の眼鏡をかけた少女【ネコ】が次々と地面から氷を発生する。
氷はケイト達の戦闘に大きな支障を及ぼしていた。
『あっ…足が……!!』
片足が膝まで氷に覆われほぼ身動きの取れなくなったアヤメ。
『(手が動かねぇ…!!)』
ハッカーの命であるネオの手の指が凍傷を負ってしまい、指の動きが鈍くなる。
『先に…彼女を仕留めるべきですね』
ケイトが力を込めた両手を、押し出すようにネコに向ける。
真っ赤に燃え盛る炎が無防備な彼女を囲んだ。
だが、彼女が人差し指をくるくると回すと炎が呆気なく消火された。
『アハハ♪アタシの氷をそんなちっちゃい炎で溶かすなんて出来ると思ってるの?』
ケタケタと笑って余裕を見せるネコ。
完全に、ケイトは力負けしていた。
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