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「ネオのお弁当は初めてだよー。いっただーきまーす♪」
「アヤメさんの調理に指摘する方の作ったお弁当が楽しみです」
「妙にハードル上げないでくれ。フツーのモンしか入ってないからな」
一足先に弁当箱の蓋を開けるアヤメ。
弁当箱の中には白米と梅干し、卵焼きやタコさんウインナーなどごく一般的な物が入っていた。
その中でも一番最初に箸で卵焼きをつまみ口の中に入れるアヤメ。
彼女を尻目にネオが卵焼きを箸で突き刺し、呟く。
「まぁ…アレだ。『甘い卵焼きが好きだ』ってこないだ言ってたろ?だから砂糖多めに入れてやったからな」
すると卵焼きを噛んだアヤメの表情が固まった。
心なしか彼女の箸を持つ手がガクガクと震えているように見える。
「すごくじょっぱい………ゲホッゲホッ…」
口の中に卵焼きを入れたまま目に涙を溜めて呟き、蒸せる。
「はぁ!!?何言ってんだおまっ…ちょ……うぐっ…マジでしょっぺぇ…」
まだ弁当に手を付けていないケイト。
彼はアヤメの背中を撫でながら、口を押さえ震えるネオに苦笑いで言う。
「……塩と砂糖、間違えましたね?」
「ンなハズじゃ……!!」
「サラダ油とオイルの違いが分からないアヤメさんもアヤメさんですがその………塩と砂糖の見分けがつかない事が許されるのは小学生までですよ」
「うるせぇ!!オイルは食ったらアレだけど塩は食っても死なねぇ!!」
「だったら僕とアヤメさんの分の卵焼きどうぞ」
「止めろ!!俺の弁当箱に塩の塊みたいなモンを入れんなって!!」
「あっ……卵焼きが床に…」
「俺は食わねーからな!!」
「ふ…2人共……そんな事より…み、水欲しい……」
賑やかな、朝食であった。
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