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「え、優梨菜、自殺じゃなかったんですか?」
次の日、突然の来客に俺はそう告げた。警察がくるなんて思わなかったから。
推理小説みたいで、吐き気がした。
「えぇ。溝口優梨菜さんが亡くなられたことは、ご存じなんですね」
なんだこいつ。俺が殺したから知ってるんじゃないのかって口ぶりだな。
「昨日の晩、友人から電話があって」
「昨日、あなたが優梨菜さんと会っていたという目撃証言がありました」
「はい、優梨菜に小説をもらって」
この警官、絶対俺のこと疑ってるよ。
優梨菜も、わざわざ俺に会ったその日に自殺することないじゃないか。
この時もまだ、俺は優梨菜が自殺したものだと思っていた。
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