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――夕方。
講義の終わって帰る途中の五郎に、女が声をかける。
女 「桐山先輩!」
五郎 「……あ、優梨菜ちゃん」
優梨菜 「お久しぶりです。大学どうですか?」
五郎 「楽しくやってるよ」
優梨菜は高校3年生である。
五郎と同じ、文芸部に所属している。
優梨菜 「あの、遅くなってすみません。卒業の時に渡す予定だった、小説です」
優梨菜は五郎に、B5サイズの分厚い茶封筒を渡す。
卒業生に後輩が自作の小説を渡すのが、文芸部の伝統だった。
五郎 「ありがとう。……懐かしいな。俺は優梨菜ちゃんの小説読むのが楽しみでさ。今回も推理小説?」
優梨菜 「はいっ、先輩お好きでしたよね?」
五郎 「えっ、まあ、そうだね」
五郎、去って行く優梨菜を見送る。
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