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優梨菜がいなくなるのを見届けて、翔太郎が出てくる。
翔太郎 「あれ、五郎は推理小説が嫌いじゃなかったのか?」
五郎 「彼女が書くのは特別なんだよ」
五郎、歩き出しながら続ける。
五郎 「彼女の小説は、今時流行ってる小説にあるような、ノリみたいなのが全くない。すごく重くて、救いがなくて、解決するのにハッピーエンドにならない。多分そういうとこが好きなんだと思う」
翔太郎 「まぢで好きなんだな。その子の小説」
翔太郎は五郎と中学から一緒だが、部活が違うので彼女のことは知らない。
五郎 「あぁ。多分今日中に読んで、明日の朝には感想を送るつもり。ついでに次回作もお願いしようかな」
……この時五郎は、彼女に会うのがこれで最後になるとは夢にも思っていなかった。
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