地下の牢獄

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僕はいま 監禁されている でも 強制じゃない いや…寧ろ自分から監禁されているのかも 馬鹿だね 自分を傷付けても君が戻ってくる筈ないのに 馬鹿だよ 君を消してしまったのも僕自身なのに でも僕は馬鹿だから 自分を傷付けて償うしか方法が思い付かない 最低だね こんなことしても償える訳ないのに 君はきっと優しいから 『お前のせいじゃない、いつもみたいに明るくしてろ』 って言うだろう 君も僕と同じで単純馬鹿だから簡単に予想できるよ 突っ走る僕を止めてくれた君 僕の為に話してくれた君の夢 絶えることなく僕にかけてくれた君の言葉 君と喧嘩するたびにどんどん仲が良くなっていった なんでだろう 苦しくてもう二度と思い出したく無かった 嘘じゃない けど 暗闇の中 手探りでその思い出、そっと触ってみたら あったかくて、明るかった これも 嘘じゃない けど哀しいよ 君はもういない 消したのは僕 悔やんでも悔やんでも もう遅い 誰も引きつけないでいる僕 窓もなく光もなく温かさもない 地下の牢獄 ひとりっきり
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