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雨が降り注ぐ町
その町から少し離れた場所で、一人の少女が傘をさして泣いていた
「うぅっ…ひっく」
彼女が嗚咽を繰り返す度に雨は強くなっているように見えた
彼女がしばらくそうやって泣いてると、一人の少年がやってきた
こんな人気の無い場所で、傘をさして突っ立っている少女が気になったのだろうか
少年は少女に近づいて声をかけた
「なあ」
少年の声に肩をビクッと震わせ、恐る恐る振り返る
「…?」
「なあ、お前こんなとこで何してんだ?」
「…!…うっ、うぅ」
「おっ、おい!どうしたんだよ!?」
突然、大粒の涙を流した少女に慌てると同時に、
少女が泣いたと同時に雨がまた強くなった事にも少年は驚いた
少年は少女を落ち着かして事情を聞いた
少女が生まれた日から雨続きだということ
生まれてから一度も青空を見たことが無いこと
そのせいで『雨女』と言われ、虐められていること
今日もまた虐められ、「どこかに行ってしまえ」といわれたこと
何で初対面の少年にこんな事を言ってしまったか少女自身も分からない
ただ分かることは、この少年にどこか安心している自分がいること
少年は少女の話を聞いて自分の事のように激昂する
「なんだよそれ!
お前の周りのやつそんなひでえこと言ったのかよ!」
少女は俯いていた
そして少し悲しそうな笑みで言った
「…良いの、ジュビアは…雨女だから…」
その声と表情は諦めが入り交じっていた
生まれてから一度も青空を見たことが無いという少女
そして雨女と言われて傷つけられ…
親を亡くした少年とは違う形で、彼女も深い傷を残していた
それに同情したのか少年はこう言った
「だったら俺がお前に青空を見せてやる!!」
その言葉に少女が驚いた顔をする
「今はまだ無理だけどいつか絶対、絶対青空を見せてやるから!!」
「…本当に…?」
「あぁ!約束だ!!」
「うん…!」
少年の言葉に少女は力強く頷き、
さっきとは違う明るい笑顔を見せた
2人は指切りをしてその後別れた
少女は帰り道ある事に気づいた
(あ…名前、教えるの忘れてた…)
これじゃあ約束を果たせない
(でもまたいつか会えるよね…)
そう思い気にしなかった
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