口約束 (ジェラエル)

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ある町の保育園 そこでは丁度休み時間で、児童達はみんなグラウンドで遊んでいた その保育園で働いているエルザは子供達が喧嘩や怪我をしないように見ていた ふとグラウンドで一番目立つ木の下に目をやると、 同僚で幼馴染みのジェラールがこの保育園の問題児のナツ、 そのナツと仲の良いルーシィとリサーナがいた 4人は何かを話しているようだ (実質話しをしているのはナツとジェラールだが) ナツはジェラールに何かを宣言するような素振りだ 少し気になったが、他の園児が喧嘩をはじめてしまい、 その喧嘩の仲介に行くことになった なんとか仲直りさせると休み時間は終わり、 園児はすぐに保育園へと入っていく 園児達は次々と自分のロッカーから毛布を出してくる 毎日休み時間の後は昼寝の時間なのだ 仲の良い子同士で並んだりしてそれぞれ準備を始める そしてしばらくすると寝息が立ち始める 次第にそれは多くなっていき最終的に皆寝静まる エルザやジェラールは毛布をかけ直したりしていく その時にエルザは、休み時間でのナツとの会話の事を聞いた 「ああ、あれか?なんかナツが急にルーシィとリサーナ連れてきてな、 『俺、将来ふたりと結婚するー!!』だってさ」 「…この国では一夫多妻制は認められてないぞ」 「まあそう言うなよ。所詮は子供の頃の口約束なんだから」 そう、結局は子供の言うこと 1週間もすれば忘れているだろう ルーシィとリサーナは確かにナツよりも記憶力は良いが、 そんなに長く覚えていないだろう 子供の時の口約束なんてそんなものだ 「にしても意外だな。ナツがそんなこと言うなんて」 「まあな。ナツは結婚とか恋愛とか興味無い人種だと思ってたよ」 「しかし20年もしたら3人とも身を固めていて良い頃だ 誰と結婚しているのか…気になるな…」 「ははっ、確かに」 ここにいる園児達は将来誰と結婚しているだろう どんな職業に就いているだろう 色々なことを考えて心を踊らせる
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