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信一は、憐を目的地まで送ってゆきその足で自分が転入先の高校へ向かった。
「へぇ。此処がそうか。」
信一は、門の前で立ち止まり高校を見つめる。
「まぁ。退屈はしないだろうな。」
そう言って自分の寮に戻った。
常盤台寮内‥
「待たせてすまない。」
「いえ。此方こそ、すみません。本日からこちらでお世話になります。水坂憐です。宜しくお願いします。」
「かしこまなくても良いぞ。それから君の事は、夕食の時に紹介する。その時に部屋の方も割り当てるからそのつもりでいてくれ。」
「わかりました。」
憐は、頷きその場に座って夕食の時間までいたのだった。
208号室
「あー。今日も素直になれなかったなぁ。」
御坂美琴は、そう言いながらベッドにダイブした。
ガチャ。
「おい。御坂。」
「ひゃぃ。ど、どうしたんですか?寮官。」
美琴は、慌ててベッドから飛び起きて立ち上がった。
「何を慌てている。まぁいい。悪いが白井と一緒に部屋替えしてほしいのだ。」
「あの‥それはどういう訳ですか?」
「あぁ。御坂には、話しておこう。実は、本日からこの寮に住むものが来てな。そいつの面倒を御坂にみてほしいのだ。」
「はぁ。そう言うことなら任せて下さい。」
美琴は、寮官の言葉に疑問を感じながら了解をした。
「すまない。出来ればこれは内緒なんだが、今回来る寮生なんだが私の義理の妹なんだ。」
「え?」
美琴は寮官の言葉を聞いて驚いていた。
「実はなぁ。訳があって私の親が拾って来たんだ。それにあの娘は、私との記憶が無いんだ。事故に遭って私だけの記憶が無いんだ。」
寮官は悲しそうな顔して壁に体を預けた。
「寮官‥」
美琴は、もうひとつの寮官の顔を見たような気がしたのだった。
「分かりました。」
美琴は、一つ返事で了承した。
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