僕らの居場所

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ばあちゃんがいなくなって、店のシャッターは下りたまま、新年を迎えた。 僕らはと言えば、空き地で三角ベースをしながら、物足りない毎日を過ごしていた。 そんなある日、東京から帰ってきたばあちゃんの甥っ子が、店を再開するらしい、とビッグニュースが飛び込んできた。 学校から急いで帰ると、僕はいつもの空き地に向かう。 「カズヤ、遅いわー」 遠くから聞こえたタケシの声に、走るスピードを速める。 タケシとコウヘイが座る、空き地の前のガードレールにたどり着く頃には、僕は完全に息が上がっていた。 「しょうがないじゃん、家からここまで、一番遠いんだから」 「なに言うてんねん、クラス1足速いくせに」 「そうや、そうや。10円ガム、奢りやな」 二人には、僕の言い訳など通用しないのだ。 「ばあちゃんの甥っ子って、どんなヤツなんかな?」 「ええヤツに決まってるやん! 店継いでくれはったんやから」 僕らは、ワクワクしながら店を目指した。 .
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