命は儚く脆い

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人の命は、儚く脆い。そう、医者である親父に何度も何度も言われた。しかし、高3だった俺は荒れに荒れた時代で、喧嘩ばかりしていた。縄張り争いだの、番長争いだの...俺はそんな小さな世界で生きてきた。周りの世界など、見ようともしなかった。 しかし、夏休みになって俺の見てきた世界は大きく変わり、親父の言っていた言葉の意味をようやく理解した時でもあったのだ。 「はぁ~、おはようさん。」 俺は学校の日だというのに、9時頃に起きて居間へと階段を降りて行った。テーブルの上にはコンビニで買ってきたのであろう、パンやおにぎりが置いてあった。 「ったく、あの親父...買ってこなくていいって言ってるのに。」 俺は適当にパンを一つ取り、食べながら学校へと向かった。
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