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それから1ヶ月くらいたって、また喫煙所で操に会った。ふっと視線がかみ合って、軽く会釈する。
それからまた1ヶ月。再び操に会う。
「よく……お会いしますね」
操から話しかけられた。
「ぁ、ああ 」
「お見舞いかなにかですか?」
「妹の……ね。ずっと入院してるんだ……あんたは?」
「兄の、見舞いに」
交わした会話はそれだけ。そしてまた1ヶ月後、操に会った。
「おなか、空きません?」
また始めに話したのは操だった。
「はっ?」
「この近所においしい定食屋があるんです。一緒に行きましょうよ」
そういえば、おなかが空いている。
立ち上がった操を見上げると、彼女はふんわりと笑った。
「私は、操っていいます。青山、操。貴女は?」
「あたいは……サキだ」
自分をレズだとか思ったことはない。普通に男と恋愛してきたし、セックスもしてきた。
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