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「サキさん、気持ちいいです……」
で、何故こんな事になってるのか、と言われると困る。
どうしてこんなことやってるんだ、言われてもそうなってしまったものは仕方がない。
自分は操のことを好きなのか、と考えてみて、でもよくわからない。
初めての夜、もちろん上手くなんかいかなくて、でも操の苦しそうな顔がとても綺麗で。
じんわりと目元に涙をためた操が小さなかすれる声で私を呼んで、それだけでぞくぞくと背筋になにか寒気みたいなのが走って、あっけなくそれは終わった。
服を着ながら、後悔しないの、と操に聞いたら、操はゆっくりと首を振るから、どうしてこんな事になったのかなんて、考えもしなかった。
それからの二人は、きっと恋愛をしてた。
断定出来ないのは、それが長く続かなかったから。
でもこれだけははっきり言える。この一週間だけは『愛』や『恋』なんて単語を言葉に出しても、全然恥ずかしくなかったと。
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