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「うーん……そうですねぇ」
左手の人差し指を口元に当てて目を瞑(つむ)る。
操が考え事をしてる時のポーズだろう。
そんな何気ない一つ一つの仕草さえ、とても愛しく見えていた。
「みさお?」
だから私は返答も聞かずに、
「えっ、んっ……」
唇を重ねた。
私が女として足りない部分は、全部操が持ってると思った。
だからこんなに惹かれる。
だからこんなに焦がれる。
「んっ、はぁ……ありがとうございます」
長い、接吻が終わった。
「はっ? 礼なんていらないよ」
操の紅潮した顔を眺めるだけで、私の体温も高まった気がする。
自分の事ながら、こりゃあ重傷だねぇ。
「えっとサキさん? アイス……食べに行きませんか? 駅前にね、移動販売のアイス屋さんが今日来るんです。駄目……ですか?」
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