こんなにも嫌いだった。

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――僕はいつも嘘ばかりついてキミを困らせていた。 「マコ、今暇?どっか行かねぇ?」 「なんだ、比呂か。暇を満喫してるとこだよ、邪魔しないでくれ」 今思えばなんて可愛いげの無い返事なんだろう…。 確かキミも苦笑いしてた。 暇を満喫なんてできるわけないのに。 僕だってキミと出かけたり、遊んだりしたいよ。 けど、素直になれないんだ。 そんな僕の影のあだ名は『天の邪鬼』。 僕は天の邪鬼と呼ばれてるなんて知らないことになってる。 だが、悪口っていうのは何故だか必ず当人の耳に入り、なおかつ人の心を汚してしまうやっかいな代物である。 だから当然、誰がこの名前を付けて、広めているのかも知ってる。 僕はあだ名なんてどうでもいいし、間違ってないと思うからその人を責める気もないけど。
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