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二人でベッドを背凭れにして寄り添う。
今までと違うのは、俺が一方的に悟くんの腕に抱き付いているんじゃなくて、悟くんが俺の肩を抱いてくれていること。
夢ならどうか、覚めないで欲しい。
「…ねぇ、春くん…」
何時の間にか、悟くんの呼び方が元に戻っていて少し残念に思う。
「なに、悟くん…」
「…今度さ、ちゃんとしたの買ってくるから」
左手の薬指で、鈍く光る銀のリング。
悟くんが作ってくれたもの…
俺はいらないよって首を振ってコテンと肩に寄りかかる。
「俺、コレが良い…。悟くんっぽくて凄く、好き」
「なら…良いんだけど…」
綺麗で豪華な物なんていらない。
見かけだけの物より、見た目は不恰好でも俺のために、俺だけの為に作られた物がいい。
我侭なんて言わない、心がこもった物が欲しいの…
不思議そうに首を傾げる貴方に、今度は俺からキスをする。
「悟くん…、ずっと一緒に居て下さい」
「……ばか、当たり前だろ」
何度も何度もキスをして、
俺達は、どちらが誘う事もなく2人一緒に倒れこんだ。
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