🍀あと一歩 春編

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二人でベッドを背凭れにして寄り添う。 今までと違うのは、俺が一方的に悟くんの腕に抱き付いているんじゃなくて、悟くんが俺の肩を抱いてくれていること。 夢ならどうか、覚めないで欲しい。 「…ねぇ、春くん…」 何時の間にか、悟くんの呼び方が元に戻っていて少し残念に思う。 「なに、悟くん…」 「…今度さ、ちゃんとしたの買ってくるから」 左手の薬指で、鈍く光る銀のリング。 悟くんが作ってくれたもの… 俺はいらないよって首を振ってコテンと肩に寄りかかる。 「俺、コレが良い…。悟くんっぽくて凄く、好き」 「なら…良いんだけど…」 綺麗で豪華な物なんていらない。 見かけだけの物より、見た目は不恰好でも俺のために、俺だけの為に作られた物がいい。 我侭なんて言わない、心がこもった物が欲しいの… 不思議そうに首を傾げる貴方に、今度は俺からキスをする。 「悟くん…、ずっと一緒に居て下さい」 「……ばか、当たり前だろ」 何度も何度もキスをして、 俺達は、どちらが誘う事もなく2人一緒に倒れこんだ。 _
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