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すぐ下の弟、春とコイビトになったのは今から約1年前。
"悟くんが、好きです"
何の前触れも無い、突然の告白に初めは冗談にも程があるって思ったの。
でも、目の前にいる春は、顔を真っ赤に染めて俺の反応を待っている…
肩を震わせて、目にいっぱいの涙を溜めて。
ああ…本当なんだ…、本当に春は…俺の事が好きなんだ。
俺は、言葉の変わりにギュっと春を抱き締めて…ふっくらとした桜色の唇にキスをした。
春は凄く驚いていて、目に溜まった涙はついに流れ出した。
「泣き虫だね…」
俺が微笑めば、春はギュッと抱きついて来て俺の名前を何度も呼んで、好きだ大好きだって沢山言うんだ。
あの時の俺は、恋とか恋愛とか全く興味が無かったし…
実の弟にそんな感情を持つ訳も無かった。
春は俺の何が好きなんだろう、兄弟…家族愛と、何が違うんだろう…
俺はただ、それに興味があっただけ。
春の気持ちを、弄んだつもりは無い…
春の事は兄弟として好きだったし、意味は違えど好きだと言われて嫌悪感は無かったんだから。
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