🍀あと一歩 悟編

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春は、心から俺を愛してる。 春は、俺からの愛を求めてる。 叶わない恋だと諦めずに、勇気を出した春を俺は… 「春ちゃんは、兄ちゃんが居ないと死んじゃうの」 春は弱い。 春は俺が守ってきた。 春は俺にとって… 「兄ちゃんにとって、春ちゃんは…ただの弟?」 美咲は、俺に語りかけながら目に涙を溜めていた。 本当に泣き虫なんだから、って…目許を拭ってやった。 同じ泣き顔なのに…、寂しそうな泣き顔なのに…春の時のように胸にズキズキした痛みは訪れなかった。 程なくして、玄関の開く音が聞こえた。 美咲は、弾かれた様に顔を上げて"カズが帰ってきた!"と嬉しそうに部屋を出て行った。 今までの泣き顔が嘘だったんじゃないかと思うほどの、満面の笑みで。 好きな人を思うと、あんな笑顔が浮かぶのかな? 春も、俺の知らない所であんな笑みを浮かべているのかな… そう考えたら、胸がドキドキした。 _
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