🎵wheel of fortune

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彼女は、彼の手を引いて店を出て行った。 "ほら、しっかりして下さい…かつひろさん" 微かに聞こえる叱咤する声に、思わず笑ってしまった。 上司にどう報告しようが考えながら、俺も後を追って店を出る。 外はすっかり暗くなって、まん丸の月が暗闇に浮かんでいた… 「…んー…」 思い切り背伸びをして、冷たい空気を取り込めばどこか気持ちはスッキリした。 早く帰って美咲に報告しよう。 結婚相手の変わりに、素敵な友人が出来ました…って。 そして、悟くんに早く会いたい…そう思って、足を一歩動かした。 本当は少し、羨ましかったんだ。 もし、悟くんに知らせていたら彼も迎えに来てくれたかな… 見合いの席から俺を連れ出してくれたのかな… 考えては有り得ない…と、思いをかき消した。 _
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