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まだ、クリスマスの余韻が残る並木道。
木々に巻かれたイルミネーションに、自然と心が躍ってしまう。
「楽しそうだね、春くん…」
繋いだ手をそのままに、俺の腕に抱きついてきた悟くんに視線を落とす。
「うん、楽しい。貴方と居るだけで俺は幸せだもん」
「…ばーか」
笑いかけると、一層顔をマフラーの中に隠してしまって…
俺は抱き締めたい衝動に駆られたけど、それを察したのか"駄目だよ"って怒られた。
苦笑いする俺に、呆れたようにしながらも離れない貴方は本当に甘やかしさんだね。
2人でイルミネーションの中を散歩して、何気ない会話を楽しんだ。
本当に、何も特別な事は無くて…何時ものデートより周りが少し豪華なだけ。
特別な思い出を作りたい…
だけど本当は、貴方と一緒に居られればそれで良かったんだ…。
「ねぇ悟くん…来年もまた来ようね」
「…おぅ」
空いてる手をそっと頬に添えて、俺はそっとキスをした。
どうか来年も、この人と一緒に並木道を歩けますように…。
白い雪がひらひらと降り注いで、今日はホワイトクリスマス…プラス1。
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