800人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
双子の兄は、俺よりずっと小さくて、俺よりずっと可愛い。
双子だからなのか、何なのか…
2人して、演技の道に入ったのはつい最近のこと。
「…最近どうなの?」
「ボチボチかな…、まだ下っ端だもん」
学校の帰りに、お互いの近状報告。
義務教育を終えていない俺達には、中学校という囲いは絶対なんだ。
上の兄貴達は、皆それぞれの道を目指していて…
俺達だって、それぞれの道を目指してる。
俺達は、似ているようで似てない双子。
顔が似てるね!
何て、言われた事は一度も無いし…
性格そっくり!
何て、言われた事も無い。
一緒に歩いていたって、兄弟だといわれた事は殆どなくて…
だからどうしたって感じだけど、俺の中にある双子のイメージと…ちょっとかけ離れてるなって。
「…隼くん、また何か下らない事考えてるでしょ?」
「……別に?」
「嘘、折角のイケメンが崩れてるもん」
隣を歩く兄は、俺の腕を抱き締めて意地悪い笑みを浮かべていた。
俺の双子のイメージ…
顔が似ている、性格が似ている、言葉が無くても意思の疎通が出来る、怪我や病気が同調する…
何て、ちょっと飛びぬけたイメージ。
だから、小さい時思ったよ…
俺達は、どちらかは拾われてきた子供なんじゃないかって。
_
最初のコメントを投稿しよう!