💡ツインズ

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「…ぐす、ごめん…」 「…あのさ、貴方は誰が何と言おうと俺の弟だよ」 久々に泣いたせいで、頭がズキズキする。 頭を撫でてくれていた兄は、俺の顔をじっと見つめて何処か悲しそうな顔… 「母さんより、悟兄ぃより、誰より先に貴方の誕生を初めに見てるんだからね」 静かに告げられた言葉に目を見開いて、俺はポカンと開いた口がふさがらない。 「隼くんが、生まれた瞬間を初めに見たのは俺なんだ!」 …生まれた瞬間なんて、誰も覚えているはずが無い。 たった数分早く生まれただけの兄だって例外じゃない… 産声をあげる事に一生懸命になっていたはずじゃないか… 「だから、拾われて来たとか…冗談でも言わないで!」 小さい手が俺の頭を抱きこんで、グリグリ頭を押し付けてくる。 痛いよって、訴えても離してくれない。 「…俺、父さんにも母さんにも…似てないんだよ」 「俺だって、似てるなんて思ったことありません」 「俺、…か、ず…と似てるって言われた事、無いんだよ」 「生憎、俺も言われた事無いです」 「ふっ…うぅ…」 「隼くん、誰に何て言われても良いじゃん」 今日は、涙腺の調子が悪いんだ… だから、兄の言葉にボロボロ涙がこぼれてしまう。 後々考えたら、絶対大した事言ってないんだ… なのに、心が弱ってるからどんな言葉でも魔法に聞える。 _
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