🍀SaltySweet

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「ただいまぁ…」 幾つかの収穫をカバンに詰めて帰宅すれば、家の中は甘い匂いが充満していた。 「あ、お帰り…兄貴!」 キッチンから匂いの現況が顔を覗かせた。 「隼…チョコ作ってるの?」 「うん、チョコケーキ!夕飯の後に皆で食べようと思って」 「ふふ…楽しみにしてる」 「任せてよ!あ、春くんも帰ってきてるよ?」 ウキウキしてる隼から春の情報をゲットした俺は、もう一度楽しみにしているよーって隼の頭を撫でて春の元へ。 春の部屋。扉をトントンって叩けば"開いてるよー"って声。 中に入れば、机に向かって勉強している春の背中。 「春くん、勉強中?」 「うーん…ちょっと…、何?」 俺の声に、間延びした返事をして丁度区切りが良かったのかな…ペンを置いた春がこっちを向いた。 「特に用はないんだけど…」 「そうなの?あ、下凄い甘い匂いしなかった?」 「した!隼がケーキ作ってるって…」 「そうそう、俺もう楽しみでさぁ!」 キラキラ笑顔で笑う春。 「春くん、そんなにチョコ…好きだったっけ?」 「そうじゃないけど…今年、1つも貰わなかったから」 「え…毎年沢山貰ってくるじゃん!!」 「そうだけど…、だって今年は悟くんがいるから…」 春の言葉を聞いて、肩にかけたままのカバンが一気にズシっと重くなった気がした。 春は一個も貰ってないんだって… 義理チョコに限定したからって…貰ってしまった自分が少し後ろめたい。 _
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