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普段甘えてこない子が、ぎゅうってしてくると、凄く愛しく感じるよね。
抱き締める隼の頭を何度も撫でて、一也みたいに寝かしつける。
ずっと我慢してた反動なのか、中々眠ってくれなくて…
仕舞には俺が、一緒に寝ちゃったりして…
「みさきー」
名前を呼ばれた事に気付いて、フっと意識が覚醒する。
俺は隼を抱き締めたまま、案の定一緒に寝てしまっていたらしい。
「なぁに?」
「……何で、隼くんのベッドにいるんだよ…」
二段目から一也が寝ている、一段目を覗き込めば、何とも不機嫌そうな顔とご対面。
「風邪引いてるのは、お前だけじゃないんだよ」
「…早く降りて来てよ」
拗ねちゃったかな?
不満そうに唇を尖らせる一也に思わず苦笑い。
下に降りようと起き上がれば、後ろに引かれる感じがする…
何事かと振り向けば、眠る隼がガッチリと俺の服を掴んでいた。
「かず…ごめん、行けないや」
「何で…」
「隼が離してくれないんだもん」
揺さぶっても落ちないの。
見る見る不機嫌の色は濃くなって、可愛い顔が台無しだ。
「じゃあ、俺が上に行く!」
どうしようかな、って悩んでいたら聞こえた言葉に目を丸くする。
慌てて下を見れば、既に梯子に足を掛けている…"危ないってば"!止めたって聞きやしない。
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