💡甘え上手

5/9

800人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
普段甘えてこない子が、ぎゅうってしてくると、凄く愛しく感じるよね。 抱き締める隼の頭を何度も撫でて、一也みたいに寝かしつける。 ずっと我慢してた反動なのか、中々眠ってくれなくて… 仕舞には俺が、一緒に寝ちゃったりして… 「みさきー」 名前を呼ばれた事に気付いて、フっと意識が覚醒する。 俺は隼を抱き締めたまま、案の定一緒に寝てしまっていたらしい。 「なぁに?」 「……何で、隼くんのベッドにいるんだよ…」 二段目から一也が寝ている、一段目を覗き込めば、何とも不機嫌そうな顔とご対面。 「風邪引いてるのは、お前だけじゃないんだよ」 「…早く降りて来てよ」 拗ねちゃったかな? 不満そうに唇を尖らせる一也に思わず苦笑い。 下に降りようと起き上がれば、後ろに引かれる感じがする… 何事かと振り向けば、眠る隼がガッチリと俺の服を掴んでいた。 「かず…ごめん、行けないや」 「何で…」 「隼が離してくれないんだもん」 揺さぶっても落ちないの。 見る見る不機嫌の色は濃くなって、可愛い顔が台無しだ。 「じゃあ、俺が上に行く!」 どうしようかな、って悩んでいたら聞こえた言葉に目を丸くする。 慌てて下を見れば、既に梯子に足を掛けている…"危ないってば"!止めたって聞きやしない。 _
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

800人が本棚に入れています
本棚に追加