800人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
あ!…一也にだけおまじないして、隼にしないのは不公平だよね?
気付いた俺偉い!
仰向けの俺の上で、ぐったりしてる一也を隼の横に寝かせて俺はどける。
…あどけなさは、無くなったけど…やっぱり2人が並ぶと最高に可愛い。
デレデレしちゃいそうな顔を何とか引き締めて、よいしょって隼の顔の横に両手をついて覆い被さる。
…だって、場所無いんだもん。
わざわざ起こすのは、可哀想だしね。
「……っちょ、なになになに!?」
「何って…隼にも、おまじない…してあげる!」
「ばっ…みさき駄目!!」
急に慌てだした隼の肩をベッドに抑えて、同じように慌てて俺を引き剥がそうとする一也を嗜める。
「一也ばっかりじゃ、不公平でしょ!」
言えば押し黙ってしまうから、寝はいい子なんです。
"俺は…良いから"何て、控え目な隼は本当に…
「隼…早く良くなってね?」
隼の頭を抱え込んで、額にチュッとキスをした。
近距離でパチりと合った視線。
顔を一層真っ赤に染めて、これは…風邪のせいじゃないんだよね?
「ふはぁ…隼可愛い!照れた?照れたの?」
「う…うるせぇよ、馬鹿!!」
ぷんぷん怒る隼は、一也とはまた違った可愛さがあって俺は好き。
両親の変わりに、家事やバイトで忙しい兄達の変わりに、弟の世話は俺の役目。
でも、一也が俺の傍を離れないから…隼は何時も我慢の子。
転んで痛くても、一也が泣いたら自分は泣かない。
夜寂しくなっても、決して俺達の部屋来る事は無かった。
もっと、我が侭言っても良いのにね…って、兄達と笑ったのは最近のこと。
_
最初のコメントを投稿しよう!