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まだ肌寒いこの時期、夏物の服に身を包んでセットに立つと、照明の熱が丁度良い。
馴染みのスタッフさん達だから、俺の事も良く知ってるの。
だから、前みたいに照明の熱で倒れることも無くなったし…
貧血でふら付く事も無くなった。
最近は順調だったんだ、何事も無く仕事も波に乗って…やっと、周りに認めてもらえ始めたのに…
「MISAKIちゃーん、目線こっち頂戴！」
「はーい！」
熱なんかに負けない。
昔の俺とは違うんだもん、直ぐに倒れて…看病して貰ってたあの頃とは違うんだ。
春ちゃんには分からない、今日の撮影が俺にとってどれだけ意味が有るかって事。
頬を流れる汗を拭って、俺は真っ直ぐにカメラを見詰める。
ズキズキと頭を締め付けるような痛み何て、俺は知らない。
俺は、元気だもん…負けないんだ、って何度も自分に言い聞かせた。
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