💡熱を吹き飛ばせ!

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点滴の落ちる音だけが病室に響いて、居心地が悪い。 悟くんは椅子に座ったままピクリともしないから、寝ているのか起きているのかも分からない。 「……美咲ちゃんの様子どう?」 小一時間ほどたった頃、控え目に病室の扉が開かれて双子がひょこっと顔を出した。 横たわる美咲を見るや否や、駆け寄る双子の顔は焦っていると言うより呆れていた。 「また無理して…、いい加減学びなさいっての」 「一生懸命なんだって…、そう言ってやるなよ」 眠っている美咲の髪に指を絡めて、バーカ…何て軽口お叩きながら会話をする弟たちに驚いたよ。 何なの? 「…何でお前ら、そんな普通に会話してんだよ」 美咲が身体弱いって知ってるだろうに、何でそんな平然としていられるんだよ。 肺炎だぞ?風邪が悪化したから…俺が、朝ちゃんと止められなかったからこうなったんだぞ!? 「春くんはさ、何て言うか…美咲を何だと思ってんの?」 俺の言葉に溜息を付く弟にカチンと来なかったわけじゃないけど、それよりも… 言われた言葉のほうが気になった… 「どういう意味だよ…」 「美咲は、もう守られてばかりだった子供じゃないって事」 年齢の事か…?年齢なら分かってる、二十歳の誕生日は盛大に行ったんだから。 「分かってませんよ、この人」 「春くんだからね」 失礼な弟たちだ… _
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