💡熱を吹き飛ばせ!

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「……春ちゃん、ごめんね…」 "泣かないで"って、細い腕が伸ばされて俺の指に温もりが触れた。 咄嗟に、温もりを離すまいと握り締めれば、それはお互いの手で自然と指を絡めて繋いだ。 「泣いてねぇよ、馬鹿…」 反対の手で目元を拭うと、微かに袖が濡れた。 「…美咲ちゃん、今日はそんなに大切な仕事だったの?」 ベッドに突っ伏して、横たわる美咲と視線を合わせて話す悟くん。 熱で赤みの増した頬に優しく触れながら、そっと目元を拭ってやっていた。 「……うん。俺にとっては…すっごく、大切で、…」 ポツポツと話す美咲の言葉を、俺たちは黙って聞いては頷いた。 正直納得はしてない。 どんなに大切な仕事でも、やっぱり身体は大事だし… 万が一、職場に風邪を流行らせたらそれこそ大迷惑をかけてしまうじゃないか… 俺の頭が固いのか、俺が心配しすぎなのか… 「でも、迷惑かけちゃった事は分かってるよね?」 「うん…」 「元気になったら、ちゃんとごめんなさい…してきなね?」 「うん」 ついにポロポロと涙を流して泣き出してしまった美咲を、一也がぎゅっと抱き締めた。 「お疲れ様…よく頑張ったね」 責めてばかりの俺とは対照的に、優しく身体を労いながら。 _
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