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やっぱり自分のベッドが一番だよね。
のんびりと部屋で寛ぐ、俺の耳に届いた慌しい足音。
誰か帰ってきたのかな?って思ったら、行き成り自室の扉が蹴破られた。
いや…蹴ってないけど、ただ勢いよく入ってきただけだけど。
「…ど、どうしたの春ちゃん?」
肩で息をしながら俺に歩み寄る春ちゃんを見上げれば、ズイって出された紙袋。
「…コレ、雑誌…」
「あ!今日発売だったんだ…読んでくれたの?」
「……立ち読みした。やっぱり馬鹿だろお前」
「酷いなぁ…人が具合が悪いの我慢してまでやった仕事なのに」
受け取った袋から雑誌を取り出して、自分の載ったページを開く。
満面の笑みを浮かべた自分に、満足そうに笑うと、反対に不機嫌そうな春ちゃんが眉を寄せた。
「…【謎多きMISAKIの実態】って、変な煽りだねぇ」
インタビュー記事をなぞれば、やっぱり胸が温かくなった。
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