💡平和な日常

3/8

800人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
「…悟兄ぃ…」 「……何だよ」 キッチンで昼食を作る俺の耳に届く、長男と四男の密談…。 何でも良いけど、俺の聞こえない所でやって欲しいな… 「マジ?でもなぁ…」 「良いんですか!?あのままにしておいても!!」 …知りたくないんだけどね、嫌でも耳に入ってくるから… 見ちゃうよね。 四男が長男の腕をガッシリ掴んで、凄い剣幕で長男を説得してる。 あんな顔出来んだね…今度、凶悪犯罪者の役とか出来るんじゃない? 「んー…わぁったよ、絶対上手くいくんだろうな?」 「俺の作戦が失敗するはずがないです」 アヒル口がニヤって笑って、俺は何も関係がないのに悪寒が走った。 …巻き込まれる前に、どっか出かけようかな… ……でも、何するか見て見たい気もする。 「さとるぅ」 全員で昼食を運んで、お決まりの配置について… いざ食べようとした瞬間、あまり聞きなれない甘ったるい声が響いた。 「ぉ…おぉ、何だよ…一也」 声の主は、俺の双子の片割れ… 普段、甘ったれた声なんて三男に構って欲しい時くらいしか聞かないから吃驚した。 俺たち三人は当然ながら、呼ばれた当の本人も吃驚して反応が遅れてる。 既に四男の考えた作戦とやらが、始まっているのかもしれない。 「んふふ…俺が、食べさせてあげます」 本日の昼食は、俺の得意料理の一つであるクリームパスタ。 器用にフォークに絡めて、口元に… 「…ぉ、おう…」 躊躇い乍差し出されたパスタを食べて、うめぇって笑う長男。 うん、美味かったなら良かった良かった。 2人の恋人を見ても、最初は驚いたみたいだけど今は何事も無かったようにパスタ食ってるし。 「美味しいね、春ちゃん!」 「ン…マキシマム美味い、隼最高!」 相変わらずのお花ちゃんオーラに、再び俺は癒されるんだ。 「有難う、お代わりも有るか…っ!?」 空になった皿を受け取ろうとした瞬間、再び感じるドす黒いオーラ。 見なくたって分かる、見なくたって分かる… 「…失敗じゃねぇかよ」 「っるさいですね…これからですよ」 ……何がしたいのか、分かったような気がする。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

800人が本棚に入れています
本棚に追加