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結局、お姫様たちの機嫌が直ったのは1週間後くらい。
ソレまで、一切言葉を交わさないものだからどんどん萎れて行くのはちょっと見ていて面白かった。
最終的には、春くんが"おいで"って兄貴を手招いたことで一件落着。
「本当に付き合うつもりだったの?」
そう聞いた俺に、まさか…って笑う春くんは小悪魔みたいな笑顔だった。
「俺も、美咲も悪戯だって分ってたし」
何だ、2人の作戦はバッチリばれていたんじゃないか…
何でも、何か有るんだって分っていたけど策に乗るのは嫌だから仕返しって事だったらしいよ…
あの、上半身裸事件は…
「でもね、あの日さ…俺たちデートの約束してたんだよね」
その一言に、和やかだった部屋の空気がピシっと固まったのは勘違いじゃないはず。
「俺、何回も言おうとしたけど悟くん一也に構いっきりだし…忘れてんだなぁって」
溜息を付きながら、ソファの上で硬直しながらこっちを見ている兄貴に言う春くんの顔は怖くて見れない。
「良いんだけどね、別に…」
気にして無いって言うけど、実は根に持っているんだとリビングに居た全員が思ったはず。
俺は、心の中で合唱した。
「ご…ごご、ごめん春くん…俺、今の今まで…」
「うん、だから別に良いってば」
にっこり笑う次男に、美咲なんて泣きそうな顔してかずに抱きついてる。
こちらは誤解も解けて、今まで通りウザイ位くっ付きあってる。
一難さって又一難って奴なのかな…、年長2人はサドンデスみたいだ。
本当、勘弁して欲しい…
けど…こうやって、兄弟が笑って・泣いて・たまに喧嘩して…
何気ない日常が、やっぱり一番幸せだなって思うんだ。
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