💡心配性

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仕事を終えて帰宅したのは、深夜1時を回った頃。 何時もより早い帰宅。 愛しい兄に出迎えられて、下の弟達にも就寝の挨拶が出来た。 何て良い日なんだろうって思ったけど、直ぐ下の弟と会っていない事に気が付いた。 「ねぇ悟くん、美咲は?」 既に日課と化した、兄との晩酌を楽しみながら聞いてみれば、何とも言い難い顔をする。 部屋で寝ているなら、寝顔だけでも見たいし… 起きているなら、一言二言でも良いから喋りたい。 「あー…まだ、帰ってねぇんだよ」 時刻は既に深夜2時30分。 「はい?」 思わず出たのは自分でも驚くくらい不機嫌な低い声。 仕事が押すにも程があるし、押して帰れないなら一言連絡をくれれば良い。 悟くんも俺の不機嫌さが分かったのか、苦笑いが浮かんでいる。 「まぁ…仲間と飲みに行ってるのかもしれないよ」 「だとしても、こんなに遅くなるなら電話1本くらい…」 「盛り上がってるんだよ、たまには良いじゃん…美咲も大人なんだから」 心配要らないよって、悟くんは笑うけど… 確かに美咲だって立派な大人だけど… 心配するのは当たり前じゃないか!! 携帯を引っ張り出して、電話をかける。 1回…2回…10回…コールが鳴っても、一向に出る気配が無い。 最後は留守番電話に繋がって、不安と苛立ちに携帯をソファに投げつけた。 「そんな苛々しないの…、ほら寝よう?」 「…苛々して無い!帰ってくるの待ってる!」 つい反発してしまって、マズイ…と思った時にはもう遅い。 「じゃあ、俺も一緒に待ってるよ…」 呆れられたかもしれないって怖くなったけど、悟くんは俺の肩を抱き寄せてくれた… 自分が過保護だって分ってるけど、美咲が自分の目の届かない所に居る事が不安で不安で仕方ないんだ。 -
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