💡君ときどき父さん

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「どう思う?春ちゃん…」 「俺に聞くなよ…、俺だって報告なんてして無いし」 「うそっ!?」 てっきり、春ちゃん達は父さんに報告しているもんだと思ってた。 "悟くんがしてるかもしれないけどね"何て、他人事みたいな春ちゃんに、頭がグルグルするよ。 「…父さんに、後ろめたさとか…無い?」 「……無い。俺には悟くんが全てなの」 深く息を吐いて、キッパリと言い切る春ちゃんを少し格好いいと思った。 「父さんが、俺達の結婚を楽しみにしてくれてるのは知ってる」 "だけど…"って切なげに、悲しげに、目を伏せた春ちゃんは何だか儚くて… 思わず手を伸ばして、春ちゃんを抱き締めた。 そんな悲しい顔させたかったわけじゃないの、ごめんなさい… 「…美咲、何してんの?」 「……悟兄ぃ…」 静かな部屋に響く緩い声。 俺に抱き締められても無抵抗な春ちゃんを、グイって引き寄せて"春…"って… 聞いた事無いくらい甘い、甘い声で呼んだんだ。 「ごめんな、春連れてくから」 何も言わない、俯いたままの春ちゃんを連れて部屋を出て行く悟兄ぃの背中… "後ろめたさなんて無い"って言ってた春ちゃんだって…悩んでいないはずなのに、俺…軽率だったよね。 俺の前では泣かなかった、でも…肩は震えて… きっと、泣くの凄く凄く我慢してたんだ… 「……俺の、馬鹿…」 呟いて、天井を見上げるようにソファに寝転んだ… 早く帰ってきて欲しい…、あの小さな身体で一生懸命抱き締めて、早く俺を慰めてよ… _
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