💡君ときどき父さん

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「…あの、あのね!」 此処で言えたら、父さんは認めてくれるかな… "駄目だ"って反対するかな… 頭の中でグルグルグルグル… こんな短時間に頭をフル回転させた事なんて無くて、泣きそうになる。 『…ゆっくりで良いよ、どうした?』 優しい声は、悟兄ぃを思い出させる… 「…父さんは、…男の子、同士とか…どう思う?」 『………』 俺に出来る精一杯の質問。 この場で、言える勇気は俺にはやっぱり無くて…こんな遠まわしな質問しか出来ない。 沈黙が痛くて、自然と携帯を握る手に力が入る。 『……美咲…』 長い沈黙が解かれて、俺を呼ぶ父さんの声は心なし呆れている様な気がする。 察せられたかな、軽蔑されたかな…心臓が、痛いくらいドキドキしてる。 『駄目とは言わないよ、こっちには沢山いるしね』 その言葉にスっと胸が軽くなった気がした。 「じゃ…じゃあ!」 『でも、お前達がそうだって言われたら…少し考えるかな』 「…ッ…」 『やっぱり、普通の家庭を持って幸せになって欲しいからね』 頭を鈍器で殴られた感覚ってこんな感じなのかな。 頭がぐわんぐぐわんして、その後何を話したかなんて覚えてない。 通話の切れた携帯は、どうでもいい携帯サイトを表示していて… 俺は、声を出さずに泣いたんだ。 _
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