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=Kazuya=
夏休みを利用した演劇部の強化合宿は最高に充実していた。
毎夜、美咲にメールしてその日の成果を連絡してたのに…
一昨日から全く返信が来なくなった。
ヤキモキしながら、漸く家に帰っても何処にも美咲の姿が無い。
一番に"おかえり!"って言って欲しくて、"ただいま!"って言いたかったのに。
「ねぇ…悟兄ぃ、美咲は?」
リビングのソファで、相変わらず春ちゃんに膝枕強請ってるオッサンに聞いたら苦笑いされた。
「…美咲なら、お友達の所にお泊りだよ」
「え…?」
悟兄ぃに代わって、春ちゃんが教えてくれた。
けど、腑に落ちない…なんで俺が帰ってくる日に友達の家にお泊り?
不機嫌なオーラを察してか、悟兄ぃを追い払った春ちゃんがギュって抱き締めてくれた。
「美咲の代わりにはなんないけど、お帰り…かず」
「…うん…、ただいま…春ちゃん」
早く会いたいよ…、何処言ってんだよ…美咲の馬鹿!
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